DTPとは?

DTPはDesktop Publishing(デスクトップパブリッシング)の略で、パンフレットやチラシなどのデザインやレイアウトをパソコン上で行い、印刷物を作成するまでの工程のことです。DTPソフトの普及により、それまで版下作成、製版、印刷とそれぞれの工程に多くの人を必要としていた作業を一人で手軽に行えるようになりました。今回はDTPデザインを行ううえで、知っておきたい基礎知識についてご紹介します。どうぞ参考にしてください。
※今回はAdobe Illustratorを使って印刷物を作成する場合を想定して説明していきます。

目次

DTPの専門用語

DTP作業に関する専門用語はたくさんありますが、今回はその中でも特に重要な用語についてご紹介します。DTP作業で良く使う用語を知っておくと、印刷会社やデザイナーに対して指示を出す場合や、修正をお願いする場合に、スムーズに話を進めることができるでしょう。

天地

用紙の上(天)と下(地)を示す目印のことです。デザインをパッと見ただけでは、どちらが上か下か判別しづらいケースがあります。そのような場合に正確な向きを確認するために天地は非常に重要です。

アウトライン化

文字情報を、点と点を結んだ直線や曲線などの図形情報に変換することを指します。文字情報を図形化しておくことで、ドキュメントを開いた時に文字化けするのを防ぐことができます。ただし一度アウトライン化すると、テキストの内容を編集できなくなってしまうため、アウトライン化は入稿直前に行うか、アウトライン化する前の元データを保存してから行うことをお勧めします。
※Adobe InDesignを使用する場合は、アウトライン化を行わないことがあります。

ノンブル

本やパンフレットなど、冊子の端に書かれているページ数のことです。

Pt(ポイント)

文字のサイズ(フォントサイズ)を表す単位のことです。DTPで良く使われる文字のサイズには、Pt(ポイント)とQ(級)があり、1pt は約0.35mmで、級数では約1.4Qになります。文字サイズを大きくすることをポイント(Q数)を上げる、文字サイズを小さくすることをポイント(Q数)を下げると表現します。
※ポイントとQ数のどちらを使うかは、制作環境によって異なります。フォントの単位にはポイントやQ数の他にインチやミリなどもあります。

内校
(内部校正の略)

印刷データを次の工程に回す前に、社内で担当者が校正を行うことです。テキストの誤字脱字、画像やイラストの色調、レイアウトなどに間違いがないか慎重に確認を行います。印刷後にミスが見つかると大変な修正作業が必要になります。正確な作業を必要とする重要な工程です。

DTP作業時のポイント

●視認性
フォントサイズが5Pt以下になると、フォントの種類によっては印刷後に文字がつぶれて読みにくくなる場合があります。パンフレットや雑誌の多くが8~10Ptで印刷されているのは、読み手のことを考え、読みやすさを重視しているためです。小さな字を使いたい場合も、フォントサイズは6Pt以上にした方が無難でしょう。

●トンボとガイド
新しいドキュメントを作成したら、印刷時の仕上がりサイズやインクの位置を合わせるための目印、トンボ(トリムマーク)と、コンテンツの位置を揃えるために使用するガイド(画面上の基準となる線で実際には印刷されません)を作成しましょう。

●文字詰め
文字と文字の間を詰めて間隔を調整し、文字列を読みやすくきれいに並べる操作を文字詰めと言います。文字詰めには、カーニングとトラッキングの2種類があり、カーニングは字面に応じて字間を調整するもので、トラッキングは文字間隔を均等に調整するものです。ポスターと書籍、本文と見出しでは適切な配列が異なります。また、その印刷物を誰がどんな目的で読むのか、印刷物をどう印象づけたいかによって、文字の配置を考える必要があります。

●文字の変形
Illustratorを使うと、文字を変形させてオリジナルフォントを作ることができます。イラストや画像に合わせて自由自在に文字を変形することができるので、表現の幅が広がると言えるでしょう。ただし文字の変形を行う場合には、読みやすさも同時に意識することが大切です。

●データを軽く
データが重いとDTP作業の効率が大きく下がってしまいます。データが重くなる主な原因は画像の容量です。特色印刷やモノクロ印刷では600dpiが推奨される場合もありますが、A3サイズ以下のカタログや冊子などの印刷物なら350dpi、ポスターの場合は200〜300dpiの解像度があれば十分です。適正な解像度と画像サイズでデータを作成し、画像効果もできるだけ少なくしましょう。またIllustratorの自動保存をオフにして手動保存にするだけで、動きが少し軽くなります。ぜひ試してみてください。

用紙サイズとカラー

◆用紙サイズ
用紙サイズにはA判規格とB判規格の2種類があります。
(下図参照:単位mm)

A判規格 単位:㎜ B判規格 単位:㎜
A0 841x1189 B0 1030x1456
A1 594x841 B1 728x1030
A2 420x594 B2 515x728
A3 297x420 B3 364x515
A4 210x297 B4 257x364
A5 148x210 B5 182x257
A6 105x148 B6 128x182
A7 74x105 B7 91x128
A8 52x74 B8 64x91
A9 37x52 B9 45x64
品名 単位:㎜
大判ハガキ 120x235
官製ハガキ 100x148
名刺 55x91

◆カラー
●RGBカラーとCMYKカラーについて
コンピューターの画面表示に使用されるカラー領域のRGBと、印刷で使用されるカラー領域のCMYKとの違いについて説明します。

■RGBカラー
RGBカラーとは、パソコンのモニター表示に使用されている発色方式のことです。RGBは赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の光の三原色で構成されています。RGBカラーは色を混ぜれば混ぜるほど明度が上がって白色に近づくため、加法混色と呼ばれています。

■CMYKカラー
CMYKカラーとは、印刷などに使われる発色方式のことです。CMYKカラーでは、シアン(Cyan)、マゼンダ(Magenta)、イエロー(Yellow)の三原色に黒(K) を加えた4色が利用されています。CMYKカラーは、混ぜれば混ぜるほど明度が下がり黒色に近づいていくので、減法混色と呼ばれています。
※RGBカラーで制作したデータをCMYKカラーに変換すると、CMYKカラーの中で最も近い色に置き換えられ、色が濁って暗い仕上がりになってしまいます。チラシやポスターなどの印刷物は、CMYKカラーで印刷されるので、RGBで作成したデータを印刷所に持ち込んだ場合、CMYKデータに自動変換され、仕上がりの色味が当初のイメージと大きく異なってしまうことがあります。そのようなトラブルを避けるため、印刷所に入稿するデータはCMYKカラーで作成するようにしましょう。

まとめ

今回はDTPの基礎知識と印刷についてご紹介しました。IllustratorやPhotoshopなどを上手に利用すれば、手軽に見栄えのするチラシやポスター、冊子などが作れます。ただし印刷会社に入稿する場合には、イメージ通りの仕上がりになるよう、トリムマークや画像サイズ、カラー方式に十分気をつけましょう。創業70年以上の歴史を持つ福岡県福岡市の「株式会社 西日本高速印刷」は「早く安く美しく」がモットー。常にお客様にご満足いただけるサービスを目指し、視覚効果に優れた質の高いチラシ・ポスター・パンフレットを制作しています。お急ぎのご注文にも柔軟に対応可能です。名刺、ポスター、冊子、カタログ、パンフレット、チラシ、封筒などのスピード印刷は、ぜひ福岡市の西日本高速印刷にお任せください。